【第59回】ホールはいくら儲けているの?
※『パチンコ正攻法』過去の連載まとめはコチラから。
ずいぶんと単刀直入なタイトルではあるが、誰もが気になるところだろう。
パチマガには協力ホールがいくつもあり、ホールの営業データをそのまま提供してくれるところもある。営業終了後1時間以内にプリントアウトしたデータをその日のうちに提供してもらう、なんてことも普通にある。
その営業データには、なんと売上額がそのまま載っているのだ。また、出玉データも正確に載っているので、売上から出玉数を差し引けばホールの利益がそのまま判明してしまうのだ。もちろん、そのデータが捏造や改ざんされたものでないことは、実際にホールで実戦して確認している。
では、ホールデータの具体例を見ていただこう。というところで、たまたま手元にあった古いデータを引っ張ってみたところ、随分と昔のデータでパチンコが大賑わいの頃の数字であった。従って現状には則していないが、今と比較することで導き出せるものがあるためそのまま引用する。
設置台数 28台
✕月12日
総アウト玉 157万1170
1台あたりアウト玉 56113個
シマ総売上 160万6500円
1台あたり売上 57375円
シマ総特賞回数 531回
1台あたり特賞回数 18.96回
総差玉 -80770個
1台あたり差玉 -2885個
客収支 -165000円
1台あたり客収支 -5893円
これは生のデータである。
1シマ28台設置。当時、全国的にも設置台数の多い、メジャーなスペックのものであった。
アウト玉というのは盤面に打ち出された玉数のことで、これが多いほど稼働が高いことを意味する。打ちっぱなしなら1分間に100個、1時間に6000個、12時間で72000個打ち出すことができる。
実際には長いリーチのときなどに打ち出しを休むほか、トイレや食事などの休憩も含めると、1日5万発行っていれば13時間営業フル稼働していると見なしてよい。
このデータでは1台あたりのアウト玉が56113個となっており、全台がほぼ終日フル稼働していたとことが読み取れる。繰り返しになるが、これは昔のデータであり、2023年現在の数字ではない点、ご了承いただきたい。
そして肝心の収支だが、シマ全体で約16万5000円、1台あたり5893円の客側のマイナスになっている。
よってホールの儲けもこれと同じ。つまり1台あたり5893円となっている。
大体、売上のうち1割がホールの利益になっている。
仮に1台6000円で計算すると、200台設置の小型店ならば店全体で120万円の利益、500台の大型店なら300万円の利益になる。
これって良心的なのか?それともボッタクリ?
このデータでは全台が終日ほぼフル稼働だと先ほど説明した。
1日6000円ならばかなり良心的な部類になり、稼動が良いホールだからこそ可能な薄利営業であると言える。
台の購入費用が50万円として、1日6000円の利益でこれを取り戻すまで3ヶ月近くかかる。めでたく購入代金を償却できたとしても、電気代、人件費、家賃などの諸費用を差し引いたら2000円も残らないだろう。
ただ、薄利とはいえ、フル稼働ならばこれでもやっていける。
さて2023年現在、実際にはずっとフル稼働という機械はほとんどなく、平常営業では稼働率50%あれば合格、というのが相場だろう。フル稼働1日6000円の調整のままで稼働が半分になれば、利益は3000円に落ちてしまう。さすがにこれではやっていけない。
よって稼動が悪いホールはそのぶん搾取率を上げなければならない。
昔と比べて状況が厳しくなったとよく言われる昨今であるが、具体的に数字で見てみると、その肌感も間違いなさそうである。
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