過去の「隣に座ったヘンな客」はコチラ

チワッスあしのです。

ホールで出会った奇抜なお客さんを紹介する企画、今回は先週あったホットな話から。

これは結構よく見る光景なのであんまり詳しく描写はしませんけども、簡単にいうとカウンターでめちゃくちゃキレてる爺様がいたんですね。

想像になるんですが、その店は端玉景品を自分で取るスタイルなんで、それ系のやり取りで何かカチンと来たんだと思われ。

まあよっぽど負けた後に自分でお菓子を取って帰るのは確かに虚しさがエグいので爺様の気持ちも分からなくはないですが、それにしたって別にスタッフさんにキレ散らかした所で失った軍資金が戻ってくるわけもなく、なんの得にもならんのでそういうのは止した方が良いです、みっともないですし。

負けたらキレる。

最初っから打たなきゃいいのに…と思うのは当然の事として、これ系のエピソードのなかで最も有名なのは2016年、八潮で起きた「ハンマーおじさん事件」でしょう。

事件の概要もなにもネーミングそのまんまの出来事なのですが、要するに負けた客がブチキレてハンマーを振りかざし設置台を次々と破壊したという事件です。

一部報道によると「わしの金が店長のフェラーリに変わっとるんや！」と叫びながらの凶行だったらしいですが、さいたまで「わし」という一人称はいかにもネタ臭いんでこの辺はちょっと割り引いて考える必要があります。

が、実際ハンマーで牙狼を破壊しまくってるシーンなんかはYouTube上にもバッチリ残っており、そういう人がいた、というのは紛れもない事実でしょう。

なおこういった事件は歴史の中で度々繰り返されており、例えば今年に入ってからはハンマーおじさんならぬバットおじさんも登場、警察により四肢を抱えられながら仰向けで連行される姿はSNS上で大いに拡散されました。

いずれも刃傷沙汰には至らなかったとはいえ、お店からすると金銭的な被害やら捜査協力の手間でとんでもねぇ大迷惑であり、全く洒落になっていません。

パチンコで負けた際、ほとんどの人は「反省」すると思います。

これは「打たなきゃよかった」あるいは「別の台」「別の店」にしとけばよかった、みたいな感じで、わりと普遍的な「負けた時の精神状態」でしょう。

筆者も当然コレです。

だいたいいつも負けてるんで、近年は「パチ屋に行く＝反省」くらいありますし、もはやパチンコに行く前には嫁さんに謝罪してから向かうまであります。

もちろんその時のメンタルやら懐事情にもよるので一概には言えん部分もあるとはいえ、同じ場合に反省ではなく「ブチ切れる人」というのもまた存在します。

この辺は「台パン」や「トイレ破壊」あるいは「ゴーゴーランプ根性焼き」などにもつながる話なのですが、自分が被った損害は他人のせい、したがって自己救済のために復讐すべしと即断する思考回路を持つひとは、もしかしたら読者のみなさまの周りにもいるかもしれません。

これは単純に自己評価が異様に高い人に見られる特徴でもありますが、一方で筆者はその人の「世界の捉え方」も絡んでるんじゃねぇかと常々思っています。

例えばほとんどの人の場合、世の中の「理不尽」というのを飲み込むことが当たり前に出来ます。

しかしこれを「出来ない人」というのがどうもいるらしい。

これは別にどっちが優れてるとか大人だとかいう話ではなく、生きていく上での「世界の捉え方」の話です。

世界はどこまでいっても理路整然としたものであり、すべての因果関係はきちっと揃ってなければならない。

こう考えるひとにとって「ギャンブルでの負け」は「理不尽そのもの」であって、どっかに責任を負わせる必要があります。

その対象が「店」であり「台」なわけで、冒頭の爺様なんかもカウンターにてブチ切れておるわけですな。

その人にとって、ちゃんとルールに則って打った自分は不条理にお金を失っただけの被害者であって、加害者はちゃんと罰せられないといけないのです。

打った自分が悪い、あるいは運がなかった、という考え方はご法度です。

そういうあやふやな答えを許容するのは、その人のインナーワールドのルールをぶち壊してしまう事なので。

要するに台パンしたり便器を壊す人は、我々とは違うチームどころか、ルールさえ違う競技をしとるのです。

パチ屋で世界一くらいの勢いでブチ切れてる人というのはよく見かけるものではありますが、あんまりバカにせず「ああ、この人には自分と違う世界が見えておるんだな」と考えれば、多少は理解できるかもしれません。

いや、理解したところで許せるもんじゃないですけども。

というかパチ屋のスタッフさんはマジで大変だなと、この手の爺様を見るたびに深く頭を垂れたくなります。

隣に座ったヘンな客…アナタの体験談を教えてください！

ライター・あしの氏が当コラムにて紹介させて頂く…かもしれません。

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