パチンコチェーン店の大手法人が「不渡り」を出した=倒産なの???【FREE's archives】

パチンコチェーン店の大手法人が「不渡り」を出した=倒産なの???【FREE's archives】

<FREE's archives #72>

当連載<FREE's archives>では、過去に掲載された『パチマガスロマガFREE』の記事の中から、特に内容の濃かった&反響の大きかった記事を改めてご紹介します。


はじめに

虚心坦懐の「浅学寡聞は損の元」、第30回。

 


 

10月上旬に全国にパチンコ店展開をしている大手ホール法人が「不渡り」を出したとの噂が流れ、業界関係者が非常にざわつきました。一部ネット上では「倒産!?」などと書かれていましたね。

今回は、企業が「不渡り」を出してしまった場合、この先どうなってしまうのか!? また、私たちユーザーはどういったことに気を付けなければいけないか、ということについて。この手の話は虚心にとってキャバクラに次いでの得意分野ということで、これについて分かりやすく解説していきたいと思います。

企業間取引の支払手段の「手形」と「小切手」

現金だと煩雑だったり、高額だと持ち運びに不便だったりするため、企業間の取引に使われるのは主に「手形」や「小切手」となります。支払う側は「手形」や「小切手」に必要事項を書き込み、現金の代わりにこれを相手に渡します。受け取った側がこれを銀行に持ち込むことで、銀行は支払う側の「当座預金口座」から現金を支払います。

そして、両者の違いは現金化できるタイミングです。「手形」は記入された期日以降でなければ現金化できません。その一方、「小切手」は振出金融機関で受け取った直後から現金化できます。

「不渡り」とは!?

「手形」や「小切手」を受け取った側が、支払期日の来た「手形」や「小切手」を銀行に持っていったが決済できないことを「不渡り」と呼びます。

不渡りにはいくつか種類がありますが、当座預金の残高不足が原因の不渡りは「1号不渡り」と呼ばれ、後の企業存続に大きな影響を及ぼすことになります。

「不渡り」の処分とは!?

「不渡り」を出すと、金融機関が「不渡届」という書類を手形交換所に提出し、「不渡報告」に掲載されます。そこで、この法人が別の銀行から返済の見込みのない借入を行うことを防止するため、加盟銀行に報告をします。この時点では、(法人としての信用は大きく失うものの)今まで通り銀行取引は可能です。

しかし、これから6カ月間以内に、もう一度「不渡り」を出してしまうと、銀行取引は2年間停止されてしまうため、借入れもできず、小切手等も使えなくなり、事実上倒産となるわけです。

まとめ

今回のニュースは一度目の「不渡り」ということで、当該法人は信用を失ったものの、ネットで言われているように即倒産とはならないのが実状です。しかし、現時点でお世辞にも経営状況が良いとは言えないのも確かです。当然、来年の4月までに再び「不渡り」を出さなければまた復活する可能性も出てきますが、それを考慮しても、ユーザーの皆さまにおかれましては大量の貯玉などは危険なので、ほどほどにしておくことが賢いかもしれませんね(※虚心注:ユーザーさまご自身の判断でお願いします)。

なお、本件について知人FP(ファイナンシャルプランナー)に聞いたところ、「会社は資力に乏しく融資のリスクが高いと判断されるため、新たな融資を受けられなくなったり融資を引き揚げられたりする恐れがあります。こういったように、運転資金不足が起きることを意味するため、1回目の不渡りが出た時点で倒産のリスクが大きく上昇します」とのことでした。

また、今回のホールだけでなく、以前、私のコラムでも紹介(→リンク)したように、新紙幣の流通でホールはさらなる苦境に立たされます。虚心としては、パチンコライターとしても1パチンコファンとしても、本当にどこのホールさんにも頑張って乗り切って欲しいものです。

私も、幾度となく本指名嬢の理不尽なおねだりを乗り切ってきた者として、他人事ではないのでね(笑)。

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