【スロプロへの道】負け組からの脱却【第8回・ジャグラーTM編】

残金5万円、崖っぷちの勝負

〇パチスロ攻略マガジンドラゴン2019年6月号より転載

1日で7万円負け。

何が何だか分からないうちに、全財産の半分以上を失ってしまった。

3ヶ月間バイトで汗水垂らして貯めた金を、たった1日で、半分以上も。

涙が出る、体が震える。

もう黙って引き下がることなど出来ない。

全財産をスルか、取り返すか、どちらかしかない。

仙台旅打ち編は3日目にして最終局面を迎えていた。

ニート大西「大丈夫だ、まだやれる。今日はこの店のイベント日だぞ」

だったら何で昨日7万も突っ込ませたんだよ、という言葉をぐっと飲み込み、ヘミ少年はニートの話を必死に聞き入った。

確実に勝つためには、情報が必要なのだ。

ニート大西「ほら、これを見ろ。この店からのメールだ。ジャグラーって書いてあるだろ? これはジャグラーが全台設定456という意味なんだよ!」

バカな! そんな話があっていいのか!?

そもそもパチ屋からのメールってどういうことだ…?

あまりにも常識の外の話に、ヘミ少年は驚愕した。

今でこそパチ屋からのメールやLINEは勝つために必要な情報源として周知されているが、平成中期の当時はパチ屋がメールを送って来るなど一般的には浸透していなかった。

ニート大西は言わば時代の先端を走っていたのだ。

今日の狙いはジャグラー一本。

開店し、ジャグラーに走るヘミチーム。

しかし他のお客もそれを把握していたようで、確保出来たジャグラーは2台だけだった。

目押しが抜群に上手いニート大西とお兄佐々木がジャグラーを打ち、ヘミは店内チェックという布陣で実戦スタート。

なお前日に続いて2人とも文無しのため、今回も軍資金は全てヘミが出している。

だが、その軍資金も5万円しかない。

全456がガセっていれば負け、ガセっていなくてもペカらなければ負け。

押し引きなどない、崖っぷちの勝負なのだ。

勝つことが約束されたパチスロ

思えばこれほどまでに、人が打つ背中を、GOGOランプを、真剣な眼差しで見つめたことがあっただろうか。

金が入るたびに胃はキリキリと痛み、吐き気を催す。

しかしペカるたびにその痛みは緩和され、得も言われぬ快感へと変わる。

ニート大西「見ろ、ペカったぞ!」

ヘミ 「よし! よし! 」

ただ勝つことだけを目指して、2台のジャグラーを必死に回していたあの瞬間、3人の心は確かに一つだった。


何時間が経っただろうか。

「もう大丈夫だ」

お兄佐々木はそう言った。

投資は3万円でストップし、2台の頭上にはドル箱が積まれ、シロウト目にも分かるほどジャグラーのシマは熱気と出玉に溢れていた。

そう、あのメールはガセではなかったのだ。

打てば打つほどコインが増える、勝つことが約束されたパチスロ。

これを愉悦の時と言わずして、何と言おうか。

高設定の力を存分に体感し、終わってみれば5000枚ものコインを獲得。

見事前日の負けを帳消しすることが出来たのであった。

 

こうして仙台旅打ち編は幕を閉じた。

この時の彼らの立ち回りは、決して上手いとは言えないだろう。

しかし、仲間と共に勝ちを目指し、錯誤し、苦しみ、そしてそれが報われた瞬間というのは、何物にも代えがたい体験であった。

「必死に打つパチスロはこんなにも楽しい」 と、ヘミ少年の心に深く刻まれた。
 
あの頃の気持ちが未だ自分の中で活きているから、僕はパチスロに対して「遊び」 よりも「必死さ」 を求めるのだろう。

必死が報われた瞬間の快感を知ってしまったから、その快感を得たいがために必死でパチスロを打つのかもしれない。

頑張ったぶんだけ答えてくれる、それがパチスロの本質なのだ。

そして物語は少しずつ動き始める。

だが、進む先にあるのは輝かしい栄光ではない。

絶望が支配する暗闇だった。

次回、ヘミニク破産。

 

今回の格言
皆の身近にある、必死になれるもの
それがパチスロ

青春をささげた1台

ジャグラーTM(北電子)

2005年導入。

4号機のジャグラーは小役フォローとリプレイハズシを駆使すれば設定1でもペイアウト100%超えで、設定4は111%、設定6なら116%にもなる(シミュレート値)。

よって全456でもかなりアマい状況なのだ。

なおジャグラーTMの後継機はゴーゴージャグラー。

筐体の雰囲気はよく似ている。

過去の自分へ

確かに必死に打つパチスロは楽しい。

だが、必死に打てば勝てるってもんじゃない。

まずは基礎知識が必要だ。

コンビニにパチスロ攻略マガジンって雑誌があるから一刻も早くそれを手に取ろう。

 

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